つゆ

もともとこのブログは会社をやめて小劇場の板に立った時に、自分を知ってもらうために始めたものである。社会的に何者かであるアピールをしなければと思っていた。何をしたとか、何がありますので来てねとかの他に、こんな面白いもの見つけたよ!とか、自分ってこんなこと考えてるんだぜなんてことも酔った勢いで書いていたが、舞台を降りると告知もなくなり、こんなこと考えてるんだぜえばかりになっていく。読んでくれた人の感想では、日常の具体的な出来事の記述、つまりはただの日記の方が人気があった。気持ちの整理のために書いたものより、体のすぐ外側に目を向けて書かれたものの方がいい。内面を語る言葉は整理すると抽象的になる。それよりは端的な言葉でも、具体的に書いた方がいい。

今日は朝から雨が降り続けで、部屋の中はずっと暗かった。台所の灯りは全て暖色で、点けると『ホタルの墓』の過去みたいに黄色い。昨日の日中はまだ雨は降ってなかったので、外に出て板をのこぎりで切った。先日どくだみを刈ったところだ。寝室の隅に放置されていた収納箱を空け、中身を空き部屋にあるスノコと切った板で組んだ簡単な本棚に移す。ボックスには使わなくなり出っ放しになっていたモニタを詰め、備え付けの収納に仕舞った。スペースを作るのに空き箱など片付けていると、引っ越してきた時に買った照明が出てきたので台所に取り付け、妻が義母からもらった派手めの服を着て妻に見せて、寝た。今日は雨も風も強く、仕事の休憩中も公園にボール投げに行けない。空き部屋に行きしばらく眺める。本棚は横板が途中でたわむのでつっかえ棒代わりにしていた本を手に取ると『暗黒日記』だった。太平洋戦争当時の2年5ヶ月に渡る日記で、2年前に買ってから1ページも読んでいない。居間に持ってきてテーブルに置き、本の表紙を眺める。ああ、読みたくない。暗くなるに決まっている。『ゲド戦記』『コクリコ坂』とか未見のジブリ作品を観てみようかなどと思う。でも読みたくないと思うものは読まなければならないと思い、寝室に持っていった。仕事は進まず、童貞の恋人とのことに悩む知り合い向きの記事を送ったり、国民年金保険料の産前産後期間の免除制度についてSNSでシェアしたりした。

バイトから帰ってきた妻は気圧のせいで体調が悪いという。夫はどうだと訊くので、悪くはないけど落ち込んでると答えた。何で落ち込んでるのと訊くので天気が悪くて暗いからだよと答えた。そんな訳でこの記事は今日妻が不在の間の夫の行動から、落ち込んでる感じを雰囲気で伝えてみようと思い書いた。あ、あと蟲師のBGMの後で女子美大の寮にまつわる怪談も聴いてた。結局内面を語ってるじゃねえか。すいません。写真でも語っちゃうぞ↓

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言うほど黄色くはない
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整理が必要な空き部屋
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どーん。分厚い

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これです