終点

高尾だった。三鷹を過ぎて西は駅の間隔が開いて
つい眠くなる。飲み会を早々に辞したのに
乗る前に月見蕎麦など食べるからだ。


漫画喫茶のオープン席で時間を潰して帰宅する
道路にはまだ雪が残っていて自転車は危ない(目が悪い)
電車に乗るのが嫌なので家から走って出社。


後の予定がなくなったので帰りは歩いた
高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪西荻窪、吉祥寺
中央線沿いは生活圏で散々歩いて迷った事もあり
色々思い出してるうちに陸橋に出る。もう荻窪
駅までは距離が有り、駅自体の幅も長い
でもそう思えばあと2駅で
目的地までの時間をやり過ごすのがいつもの手。


飲み会で訊ねられ栲象さんの庭の話をしたけど
やっぱりうまく伝えられなかった。
初めての庭劇場の後、酒を飲みながら栲象さんは
「高みに上るのではなく、底に下りていくんだ」
「底にはみんながいる。底から上がると庭なんだよ」と言った
腹の底からわからない。けどいい言葉だ


目標に集中し続けるには
異常な渇望が、そこにいかねば死ぬ位のものが必要で一方
ゴールネットの向こうを狙わないとシュートが入らないように
目標が通過点とわかってなければ到達できない


初めての道だと心が動く。外に意識が開いているからだ
目標が据えられるまではと思いつきで新しい事をやる
すぐいつもの道にしてよしとするのは結局目標ではない


なんて考えてると家に着くのでこれもやり過ごしである
底冷えがする。足元暖房機に足をつっこみ布団にくるまる
自分の白い息を見ている内に、さすがに寝た。