人間に楽しめない事はないさと
背中丸めてだんごむしを気取り
何もしないと日常は現実味をなくしていく
だから錨みたいなものが要るのだろうと思う
錨も櫂もない小舟の上にひとり丸まって
そのままぷかぷかと流されていると
やがて霧がたちこめ河岸は見えなくなり
よくわからない内に終わってしまうだろう
あの丸いのはなんだったんだろうと
そんなのくやしいじゃないかと
怒りに似た感情が湧いてくる
甲斐を手に入れろ
錨は世界への愛だ
と興奮して立ち上がったら
よろけてバッシャーン
混沌の水に落ちる
混沌と虚無の水
だから酒を飲み過ぎるのはいけないのである
だから僕はまだまだという話