オーディション落ちました


何故かDVDプレーヤーが復活したので
何故か『千と千尋の神隠し』を見る。
宮崎駿監督の作品はストーリー、作品世界自体、
キャラクター自体が魅力的なのでそれらに浸ってしまうが
根幹にある人間がどう生きるべきかというメッセージが
どっしりと揺ぎ無くある事の方が素晴らしく、重要だと思う。


メッセージとはやや離れ、演出の話になるが
千尋がおむすびを食べるところはいつ見ても涙が出る。


メッセージに話を戻すとこれは技術以前に
何を考え、何を肯定するのかという作り手の信念であり
一方で自分はどんな人間なのか、見られるという事。


僕は表現する時、状況に目をとられ、自分に言い訳をしてしまう。
そして形になったものは不純物が多く、何がやりたかったのか伝わらない。
仕事の場合も最低条件を満たしているだけ。
表現に没頭できるだけの根拠、人間として誇れるものがないのだと思う。


つまらないヤツと思われるのが怖くて「何でもあり」で生きてきたが
結局受身の「何でもあり」は何のメッセージでもない。


さて内省はこのへんにして
メッセージは意味だろうか。確かに言語的な表現では、明確な意味がある事が多い。
しかし映画におけるメッセージは、意味だけでは足りない。
自分は何に感動し、何を肯定するのか。未だ人間が言葉にできない発見が必要だと思う。


何かよくわからないけど心を動かされること。
観る側が今まで経験した事の無い何かを提示し
それは理屈ではない「新しい人間らしさ」でなければならないと思う。


なんて偉そうに書きましたが先日の所属声優オーディションは落ちました。
プロに必要な基本的な事が出来ていないという事です。
ちなみにHPを見たらオーディションの締切日が延びていた。
…しれっともう一回応募してみるか。
「何考えてるんだ?」と思われたらと想像するとちょっと面白い。


冗談です。
まだまだ道は遠いぜ。