急に冷えこんできたせいもあるのか、今夜吉祥寺は静かだった。住宅街にフクちゃんの吐息がこだまする。

昼間は親父が送ってきた舞台脚本の感想を書き送り返した。脚本は津軽の方言詩人(というのか)高木恭造の詩をモチーフに構成したものと、知人の突然死がきっかけで一気に書き上げたらしいもの。設定やセリフに親父の人柄があまりにも出ていて気恥ずかしくなり、実も蓋もない感じで率直に書いた。ナイーブだからへこむかも。高木恭造の方はなかなかよかった。地元の劇団で上演されるかも。EXPACK500は今月一杯で廃止。専用の封筒に入るものなら全国一律500円。青森へは飛行機で行くそうな。初めて使ったけど安くていい。

床に寝転がっていると昨夜金縛りにあったことを思い出した。以前おかっぱの日本人形(ベタだな)が出てきた事もあったが、今回は足を持たれて引っ張られたので「やーめーてー」と掴み返そうとしたら嫌がってるのが伝わってきた。今回は覚めてはかかりの3回(確か)。同じ事を繰り返すのでうんざりした。もっと面白いものが見れたらいいのになと思い、フクちゃんの散歩中も人通りがなく異様に静かだったので何か気配がないかと探るも何にもなし。早咲きの桜が早くも散っていた。

人おのおの確固たる希望あるをいへど、希望はもと確固たる者にあらず。成就の明かなるものは、失敗の明かなるものなり。
斎藤緑雨『半文銭』より