杏樹


自分の気分位、自分で制御しないとね。昨夜、夢でSigur Rósを聴いたので朝、聴こうと思ったらキッチンのCDコンポにセットされてた。…まあなんつうか天気の良い朝に聴くSigur Rósはいいね。気分がいいとその日の可能性が膨らんでいく感じがして良い。
とはいえいつも通りのフクちゃんの散歩、洗濯、連休なのでTilleulに出勤。空き時間に『ドン・キホーテ』をさくさく読む。著者・セルバンテスの「こういうの面白いでしょー」感がちょっと鼻につくが面白いのでよい。自分が面白いものを作っているという感覚はワクワクするよね。生き生きするよね。店は地下にあるので天気の良い日は穴倉にこもっている気分になる。お客さんが来ない時は落ち込まないように色々工夫しないといけない。

夜。オーナーと話した後、フクちゃんを井の頭公園に連れて行く。初めての場所はずーっとにおいを嗅いでいるのでつまらない。周りを見ると早くもお花見をしている集団もいて「私達、楽しいの!」という感じを振りまいていた。

桜は陰陽を兼ぬといへり、恋と無常を兼ぬといへり。晴にして雨也、迷にして悟也、糸の音にして鐘の声也。竟(つひ)に是れ罪業の花也、日本の花也。
斎藤緑雨『半文銭』より

イメージとしてのお花見はこう物思いに耽りつつやりたいものだが、酒に酔うともうだめだな。自分は毎年だめだ。

ぽつぽつ咲いている桜もあった。個人的な花見も近い。オーナーと話した大森屋の野菜のフリカケのCMで「もりもり食べ野菜?」と言っていた女優の名が気になる。思い出せない。公園を一周する時間はなかったので引き返した。むずがるフクちゃんを引っ張っているとビールが飲みたくなった。先日の嵐のせいで倒木が多かった。

家に帰ると暗闇がちょっとかっこよく見えた。やっと連休終わったな。休みだ。図書館から平山夢明の『ダイナー』が用意できたとメールが来ていた。映画も本も、自分の用意も出来ずに次から次に手を出すと結局本当には楽しめないと思う。自分にとって最高に楽しめる観るべき時、読むべき時があるのだ。とは思うのだが。ちなみにちょうど1ヶ月前に予約した村上春樹1Q84』は未だ405人待ちだった。すごいな。今年中に読めない。