子供


外を歩いていると、ふいに力が抜ける事がある。「あ、この犬も自分も、あっという間にいなくなるんだ」とか「この人達も一人残らずいなくなるんだ」とか、そういう事が実感されるとそうなる。

また夏の夜にぶらぶらと一人で歩いている女性をそれとなく観察すると、他人ではなく、夜の空気や匂いに反応しているように見える。日本は平和だとかそういう話ではなくて、自分と他のものとの関係って、対人以外のものが確かにあると思うのだ。

よく「作品は子供のようなもの」というが、それはそうなのだと思う。何かと交わるか、一緒に踊るかして出来てくるものなのだと思う。それが何なのか、探る毎日。