土偶を作ろうと思いユザワヤに陶芸土の値段など見に行く。一番安いのだと20kg830円。陶芸やガラス制作をしている知人にアドバイスを受ける。やはりポイントは均一。成形時の水分も、量的に十分でも均一に含有されていないといけない。そして時間をかけること。焼成前に水分を抜く際は屋内で極力温度を変えず、ゆっくり抜く。

そもそも土偶は死者や精霊や(豊穣)等の抽象的な概念を形にしたものらしいが、はっきりとした用途はわかっていない。子を身ごもったまま死んだ女性を無事あの世に送る為に行う「複葬」の際に使われたとか、祭礼や祈祷の為に作られたとか、色々言われている。
生きている人間の「具体的な身体そのもの」を表現したものではないとは言える。恐れ、畏れ、願望といった共同体で共有できる感情を、土からできた体を使って表現しているのだと思う。

国宝土偶展に行った時の感動はまだ覚えている。作り手に思いを馳せるにはあまりにも遠い昔の作品なのに、そうせずにはいられない共感があった。自分に同じようなものが作れるとは到底思えないし、時代遅れだなあとも思う。それでも気に入っちゃったものは仕方がない。

どうしたらいいか思いつかない時は、好きな事をすればいいのである。生活はなんとかなる。自分に限界は無い。