ダウナー


渋谷ユーロスペースに映画一揆『犀の角』&トークショーを観にいく。ケースだけ持って眼鏡を忘れてくる。
『犀の角』はかなりいい映画だと思った。日本映画学校俳優科の学生が出演している卒業制作で、監督は井土紀州。どっしりしたカメラが映し出す画はとても叙情的だった。出演者も生っぽい感じなのに、素人くさくない。うわあ、参ったなと思ったら、トークショーで安定感の理由が明らかになった。撮影前の一週間、念入りにリハーサルをしたというのだ。
リハーサルは、繰り返す度に、シーンが大体一つの形に収斂していく。新鮮味は無くなり、客観性も無くなっていく。そこで監督は役者にそこまで積み重ねたものを捨てさせ、好きなようにやらせる。役者は役というより自分の気持ちに集中して演じようとする。だが無意識にはリハーサルで叩き込まれた動きが残っている為、画に気持ちよく収まる形で、無意識に美しく存在できる。
多分誤解されるような書き方だと思うが、自分には納得がいったのだった。

前川さん、吉岡さんと井土監督によるトークショーだった。

出かける前ずっと読んでいた。何もできないのでただ読んだ。これからも読む。

油絵みたい。精緻で濃厚。

モコモコだけじゃない

メモメモ