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朝まで飲んでいたせいか、知合いが30人位出てくる夢を見て起きた。
コーヒー豆やお茶の買い物をする。買い物が楽しくて、客を招く事が自分は好きなんだなと思う。
自転車で西荻窪まで。今日は昨日よりずっと寒い。手袋が必要な季節だ。

以前書いた吉井さんの陶芸作品を見に行った。
吉井さんの作品は、実用的でいい佇まいの食器だった。ちょっと感動した。吉井さんの日常使いの物に対する考え方や姿勢が伝わってきた。

ギャラリーで居合わせた男性は、以前吉祥寺に20年住んでいたそうである。
うちの近所に昔あったヤクザ屋さんの事務所を警察がガードするという事があった。山口組が吉祥寺進出に動いていた時の事である。吉祥寺のヤクザは基本的に的屋や博徒で、風俗店営業などで資金を作る事をよしとしなかったという。数年前、知り合いが中道通り沿いの一角でタコ焼き屋を開店した時、「ここはみかじめ料とか言ってくるヤクザがいないんだよ」と言っていたのを思い出した。聞いた話ではあるが、なんというか、吉祥寺を少し好きになった。

寅さんは若い頃は「相当なワル」だったらしいが、昭和初期の一般人の感覚では的屋や博徒はコワいけど親近感のある存在だったんじゃないかなあと思った。

『出奔』主演の井出さんと、そんな話をした。今日の上映会には井出さんが来てくれた。この後仕事がある井出さんとは上映後もお茶を飲みながら話した。DVDを喜んでくれて、嬉しかった。木ノ本のイベントでも話したが、井出さんの演技は本当に真っ当というか、引き込まれてしまう。本人曰く「(『出奔』の自分は)役者のオーラがないなあ」との事だが、改めてタダ者でないなあと思った。ニコニコしながら帰っていった井出さんを見て、役者としての悔しさを感じた。

また上映を重ねる度に自分の未熟さを認識する。とっても悔やまれる。真剣さが足りない。でもやっぱり撮ってよかった。


吉井さんの作ったコーヒーカップ。内側の模様がきれいだ。どんな部屋でも、誰が使っても合いそう。美学校時代お世話になった万田邦敏監督と高等科に進んだ同期達との最新オムニバス映画『葉子の結婚』では吉井さんの陶芸作品が使われているそうだ。