思い込み


オーナーの代理でビッグサイトで開かれている展示会へ。アパレルがメインで、出展者数は673。展示会場は実店舗のミニチュアみたいなのがカテゴリー別に並んでいる感じ。目星を付けていたブースの品以外は、周辺視野で「ん?」というものが有れば改めてじっくり見て、さらに気になれば触る。ひたすらその繰り返し。なんだか速読してるみたい。見るのに疲れると気を緩めてぼんやり歩く。一角ではDJ付きのファッションショーが行われている。内容にもよるが、こういう場所ではショーも展示のバリエーションでしか無いと改めて思う。Tシャツにプリントされる予定の絵を大きなパネルにライブペインティングしている人も、自分の作業にのみ没頭しているようだった。中国とバングラディシュのブースが大きく取られていたが、割と閑散としており、展示会で新たに海外とのパイプを作ろうとする人は少数派なのかなと思った。うちもその予定は無い。2時間以上見て回ったが残念ながら商談は無く、2,3名刺を交換し、取引先の人とお喋りする位に終わった。衣料の見過ぎか、少しクラクラした。

新宿で気になっていたゴーゴーカレーを食べる。代表が松井選手のファンで、「金沢カレーブームの火付け役」らしい。金沢カレーとは

  • ルーは濃厚でドロッとしています。
  • ルーの上にカツを載せ、その上にはソースがかかっています。
  • 付け合せとしてキャベツの千切りが添えられています(お代わり自由)。
  • ステンレスの皿に盛られています。
  • フォークで食べるのが金沢カレーの食し方。

との事で、実際その通りだった。濃厚でボリューミー。テーブル席の男の子が「ウマイ!味がウマイよ!」「これはボクが好きな味だ!」としきりに大声で言っていた。両親や周囲に対して自我を認めさせんとする純粋な喜びに満ちた声。気持ちよかろう。でも「(お腹いっぱいで)もう限界だ!絶対これは無理だよ!」と叫ぶのはお店の人に悪いと思った。
カレーを食う前、実は小田急でMotherhouseの実店舗にお邪魔してきた。実際に手に取ってみて、改めて「いい」と思った。営業中にも関わらず店長さんと少しお話をさせてもらった。心よく対応して頂き、嬉しかった。うちで販売するのは無理かも知れないが、その為の努力はしても良い、いやしたいと思った。矛盾の無い人間はいないと言われるように、矛盾の無い会社も無いと思っているのだが、Motherhouseはそういった淀みを一切感じさせないのが清々しく、すごいと思う。

吉祥寺に戻り、オーナーに報告に行くと何故か漫画喫茶に居た。入ったばかりだというので自分も入店し、報告が終わると「せっかくだからゆっくりしてけよ」とおごってもらった。この人には本当にいつもお世話になっている。世界的不況のさなか会社を辞め、自業自得で失業保険をもらい損ね、結局金に困っていた自分を「バカだなあ」と呆れつつ雇ってくれた恩人である。いつか恩返ししたいがいつになる事やら皆目見当がつかない。
家に帰るとガスの請求書が来ていた。昨日の請求書はよく見ると電気代だった。それが投函される前に、おばちゃんがドアの外で計測している声をたまたま玄関で聞き、「ガス代か」と何故か思い込んでしまったのである。お恥ずかしい限りだ。そして改めて自分はオイルヒーターを持っている事に気付く。すっかり忘れてお湯を沸かした後のヤカンで、しばし足元の暖をとったりしていた。しかしオイルヒーターはうちのアパートでは効果が薄く、電気代も食うのでもう使いたくない。ヤフオクで売るとかして、石油ストーブに買い換えようと思う。