ゲゲゲ完結

前の晩、テレビなど観てたら朝方になってしまった。眠くてもNHKは観る。

マヌルネコ

内容に普遍性があっても、作り手の熱意がホンモノでも、映画は虚構だ。現実も限定的な経験とはいえ、記録された映像は、画が切り取られ、匂いもなく、触れられない(そして毎回同じ)。それでも虚構を現実と感じる時、脳は何かを補っている。それを観察する事で、自分の現実感のレシピが判る気がする。less than a minute ago via web

モデルが有ると、虚構として楽しみやすいですね 「ゲゲゲの女房」のモデル総ざらえ: http://p.tl/yspeless than a minute ago via web

真ん中のは特に関係ないが夜、京橋のフィルムセンターに映画『ゲゲゲの女房』を観に行った。公開の4ヶ月前で、鈴木卓爾監督、吹石一恵宮藤官九郎の挨拶&トーク有という事もあり、ほぼ満員。
これ、素晴らしい映画である。こんな映画ミタコトナイ!と思わせ、何度観ても飽きないと思わせた。また素晴らしいチームプレーである。監督の意図を超えた(であろう)奇跡が起きている。
布枝さん役の吹石一恵水木しげる役の宮籐官九郎、本当に正直な女っぷり、男っぷりを見せてくれた。徐々に明らかになる人柄が自然でいじらしい。生々しい貧乏と、生活苦に負けない気持ち、くじけそうになる気持ちが感じられる。夫婦の情交を匂わすシーンがまた非常によい。
他の出演者も皆貧乏くさいが率直で観ていて清々しかった。特別出演のあの方もよい。
画角が面白い。特にあるフェチには堪らないカットなどもある。エロイんだけど笑ってしまうのである。
ロケ場所が面白い。こういう意図的なロケーションは久しぶりに観た気がする。挑戦的。
時々織り込まれる水木しげるならではのシーンがまた凄い。また違った才能を感じる。もってかれそうになった。
音がいい。水木しげると、監督の人柄も感じられる音の使い方。吹石さんの安来節が素晴らしい。何よりテーマ曲が名曲であった。歌詞も「ああ、これでようやく片手落ちじゃない」みたいな気持ちになった。

監督は「男と女の映画、あと妖怪をやりたいと思っていたので、この話が来た時、これで全部やれるんじゃないかと思った」と話されていた。観終わってなるほど。全部やるなら、これしかない。
終了後、監督に感想を伝えたかったが、あまりにも素晴らしかったので他の人に譲って帰り、コンビニでビールを買って3丁目の再開発現場を横目に飲んだ。満足。