大後悔時代

8/5中野テルプシコールにて
市川淳一さんの「大後悔時代」
出演:市川淳一、藤木恵子、山口まやーぐぁー、田尻和之、首くくり栲象
ブルースハープ:居相毅/照明:神山貞次郎/音響:大野英寿/協力:竹内 修、熊谷空/photo:三好祐司
成田は映像で参加

猛暑。蝶を捕まえに市川さん1時間小屋入り遅れる
1時間後現れた市川さんは女性みたいないい匂いがして偉いと思った
舞台監督はおらず、準備は各自で行うのだった

栲象さんも紅葉などきれいに飾り


場当たりの間は殆ど客席で寝てらした
百合を始め生花の匂いが立ち込める現場



明かりが点くと、松井冬子日本画の女性のように横たわる襦袢姿の市川さん
薄ら笑みを浮かべた死体だ。鼓動、股間をまさぐり、腰が上がる
絶頂、胸元から花と蝶がこぼれ出てきた
蝶は一直線に昇っていった


天守物語で観客は天守閣に閉じ込められた。2時間半出られない
繰り広げられるのは80年代ディスコミュージックVSあがた森魚、タンゴ
2時間半出られない。復活と、サバイバルの決意表明


藤木恵子、山口まやーぐぁーの女ぶりに圧倒される
藤木さんはShocking BlueVenus沢尻エリカぶるぅ。など踊り狂っていた。目が怖い。「着流し姿で運針」に笑う。
元々ほっそりしているのが、どんどん痩せていった

衣装多すぎる
山口さんは50年代の日本映画に出てきても違和感ないようなお顔立ちで
天守物語の富姫もはまる。所作がびしっとしていて色々お稽古されてたんだろうなと思う
度々顔の話であれだが素が泣き顔っぽい山口さん
終演後鼻の下を伸ばしたおじさん達に取り囲まれていた


Boney MのSunnyが流れる
明らかにカタギではなさそうな赤いチャイナドレスの女たちが一対
脇息みたいのに体をもたれさせだるそうに赤い扇子を使っている
おもむろに起き上がりこちらにゆっくり近づいてくる
蟹股変顔を決めてまた元の位置へ戻る
バブルの頃のやたら豪華でナンセンスな化粧品とかのCM
そんなものがあったとして、そこに入り込んじゃった感じ
突然客が手毬を投げ入れた。田尻和之さんだった(彼は別のシーンでは簡易テントを張り、ジンギスカンを焼く)。
市川さんが「おさにさん」として手毬をつきながら女たちの間を通り抜ける
妖怪か。「かわいそうなひと」か。女たちは扇子で顔を隠しそれを見ない
ブルースハープの居相毅さんも田尻さんも客席から参加する
照明の神山さんまでオットー・リーデンブロック教授として調光室から降りてくる
ちなみにテルプシコールの調光設備は年季の入ったアナログなもので
めちゃめちゃ大変だろうと思う


市川ワールドとか言いたくないがそう言ってしまうのが一番楽だ

映像はぴったしはまったと思う

主催の市川さんの超人っぽさは只事ではなく向こうの人という感じがする
飲み会で隣に座ったら薄着の間にたくさんの傷が見えた。丁度二周り上の酉年
公演に話を戻すが栲象さんも客席で舞台を観ていた
途中外に抜けたりして自由なのだが客席でタイツに着替え
スッと舞台を横切り小部屋に消えた。肩に手拭をかけて「風呂にいくみたいかな」と場当たりでは言っていた
エンディング、出演者達の挨拶も終わり、市川さんが小部屋のカーテンを開けた
ABBADancing Queenが流れる
てっきり首をくくっているのかと思いきや
音楽に合わせて屈伸運動の茶目っ気
時間の調整かもしれない。その後曲が終わるまでぶらさがっていた
その場にいる全ての人がそれを観た
曲が終わり暗転していく。暗闇の中栲象さんがコートを羽織った。



これは栲象さんではなく竹内さん。去年横浜にARICA第19回新作公演
『蝶の夢 / Butterfly Dream』を観にいき
栲象さんにビールをご馳走になっている時に知り合った。帰りの電車で色々とお話したのを覚えていて下さり
今回映像をやる事になったのだった。舞踏の人は魂も綺麗なんじゃないかと思えて羨ましく、憧れる
照明の神山さんのお手伝いに来ていた田辺さんも舞踏家で、秋には横浜で大野一雄のフェスティバルに参加されるそうだ
先月自分が出稼ぎに行ったあの企画なんじゃないだろうか



終演後、飲んだ。一回限りの公演。音響の大野さんと「あそこはなー…!」とかなんとか反芻するのも楽しい
打ち上げでスタッフの口が滑らかになるのは舞踏も一緒か
写真は近所の居酒屋の猫チータ17歳。代々ジュリーかチータという名らしい
店の女将さんも観に来てくれた。そんなところもいいなと思った公演だった


栲象さんはレスリングか何かオリンピック中継を眺めて帰っていった
小屋で会った時「お、ナタリーだね?」と言われたのが嬉しかった