なまもの


今日『愛のゆくえ(仮)』という芝居は千秋楽を迎える。
千秋楽とは興行の最終日、最後を意味し
秋は年に、楽は落に通じるとか、雅楽や能の最後に謡われた曲名からとか
語源は定かではないが、お目出度い事なのである。
千秋楽(せんしゅうらく) - 語源由来辞典


1月頃から関わってきたせいか終わるという事がまだしっくりこない
映画『愛のゆくえ(仮)』も12月に公開されるし、企画自体はまだ終わってないし
この芝居から派生して続くような出来事もあるかもしれないし
ただ芝居公演はひとまずここで終わりと、区切りが打たれる。


「終わるなんて信じられない」と言う人は他にもいて、
それはまだこの芝居に飽きていないという事だと思う。ずっと変化し続けている
なんとなくこの物語に自分の人生を重ね合わせている部分もある。
自分はなにを信じて生きてるのかなあと考えてみたり。
毎月の公開稽古を経て、作品が完成していく姿を近くで見てきた。
自分にできる事で、作品の成長に関われた部分もあったかもしれない。


できる事は()付で自分にしかできない事になり
責任を持ってそれをやるわけだがそれが今、ものすごく楽しい。
僕は公演中、観客としてこの芝居を観る事はできないので
表から観てみたいと本当に思う。でも裏の仕事を代わって欲しいとは全く思わない。
めったに無い事である。


お客様の反応はよい。
それは舞台裏で同じ空気を吸っている僕にも伝わってきて嬉しい
同じ場面で鼻をすすって泣いている音と愉快そうに笑う声が聞こえたりして
人間って色々だなあなどと感心したりもしている。


twitterにもさかんに感想が上げられている。
三組の違いに驚いたり、演出の好みについて語られたり
批判的なものが殆ど見受けられない。
「絶対観た方がいい」の声もあり、リピーターもどんどん増えてきた。


今が一番いい時なのに…!で終わる。
実際まだ終わってないけど、くやしい部分もなくはないけど、
なんとなく晴れやかでかっこいい気もする。