きんもくせい

言葉は意味を保つので
読み手によって弁当箱を超え
水切石みたく時も超えたりする一方
言葉にも本当と嘘が同時に有り、
出会うとどちらか確定されるような
理解を超えた猫っぽさもある


僕が言葉を使うのは
自分がいる場に働きかけるために
足りないものがあると思うからだ
あやふやだと言われても
言葉を生む経験すら、
本当と嘘がないまぜなのだから
必要に迫られ、開き直って使う


不足を感じて反応して、手当になると社会に居られる
金木犀の香りを胸一杯吸い込んで満たされる
社会と個人の自分なりのとらえ方だ


酒乱でも差別はきっちりする
強制はしない
強がりと言われてもそういう状態で居られるのが
独り身のよろこびである


僕は言葉よりもにおいに支配されていたい