エロくない

エロいとはありのままでいること
ありのままの姿でいる事はエロい
エロくなりたい気持よくなりたい
ただ中々気持よくはなれない


大人のマネをするのが子供で
子供のフリをするのが大人で
子供は飽きることを嫌い
大人は退屈に安堵して
子供は知らない事を知ってるフリをして
大人は何も知らない子供のマネをして
気持よくなりたいのにそのままではないから疲れる
例えば芸術が問答無用の乗り換えなら
娯楽は問答無用の切符確認である
ただ自動操縦に乗って運ばれていくうちに
疲れて席を立てなくなる


見ようとするほど見えなくなるのではなく
見続ける内に見たくないものが見えなくなる
だから見るほど見なくなる


少しずつ弱って長生きし過ぎないように
少しずつ甘んじて受け入れ続けること
そんなのが人生の秘訣なのだろうか
エロくない


最近おもいきり食べてない
おもいきり伸びたり跳ねたり
殴ったり蹴ったり食ったりスーパーマリオ的な
人生に勢いがなくなった


いつも制御された水に安堵し、いつも海を怖れ憧れている
ひとりでいることも、わがままだと責められる。
そのわがままだけでも、結構無意味に生きられる。
苦しみを見ないままに、たまたま手を貸す位を求めていても
ただ、どうしようもなく、老いる。


先日帯状疱疹になった
整備不良による耐久性の低下
遊びの次は休みを忘れる
痛みから動きが遅くなり
自分が小さくなっていく
目を閉じると天井が見える
夜の天井はいつも模様が違う


やがて中空にひとつのマイナスが浮いている
マイナスはちょうどジャンプしたら届く位の高さにあり
固そうで下から拳で突き上げると
キノコが出てくるのを想像させる
それは勝手にしろという気分である


そして忘却があり、玄関の木のボウルには
使い捨てライターが幾つも入っていて
薄明の玄関で立ったままタバコに火をつけて
ポケットに手を入れるとライターが入っている
換気扇の音に忘却の忘却があり


頑張らない自由を選ぶには
好きなものをなくしてしまうしかない
そうすると焦りがなくなり
没個性的な自由が手に入る
好きなことにこだわると学ぶことができる
学ぶことで物事が間に合うようになる
誰かを悲しませないために
ただ傍観して過ごすのか
何かを間に合わせてみせるのか


人は生きるためのシステムそのものでもあり
行動することでしか作動しない
考えたりすることも時には必要なのだろうが
今はやるしかないやるやらならねば


まだ生きてる内は何かしら
やることはあるがシステム作動のためであり
それ以外は特に意味はない
途中でやめなくても偉いこともない
ただやる事で生きる事ができる


それ以外をやらない事に慣れてくると
飽きるまでやる気は起こらない
起きてもやった事に満足するから弱い
やがて起きる事もなくなっていく
EDだ


そんな中で見つけられるのは
誰も脅かさない速さであったりする
大体は老人の速さ、弱者の速さである
慌てる必要もなく、周りに気にもされない速さである
その速さはどこでも入り込める
姿も隠せるので便利であるが
これは使っていくべきなのか


変化の受容の仕方をシェアする事で
人を安心させることができたら
それが一番いいような気もする


他人に不安を与えず安心させることは
怖がらせない事ではないとは思う
不安の原因を解消するのではなく
それがあれば不安が気にならないもの
まあいいやと人心地つけるもの
笑えるものや変なものを
誰かと共有できる形で出せる
やっぱり固執する技術に裏打ちされた強さが要ると思う


弱さも強さも必要だから
時々わからないまま無意味な要素を持ち続け、
その場からずれ続ける事で不確定性を呼び込むこともある
それは不安を与えるけど、ちょっとエロい


体は生きているので
古い細胞が死に新しい細胞は分裂する
複写される部分に心があるのかもわからない


これはありのままではない
だからエロくない