足りなかったもの

深夜、床で寝ているところを起こされて
今朝はちゃんと仕事にも間に合った
一度寝坊してしまったのだった
彼らの仕事は今日で終わったから
明日からは静かな部屋になる


彼らと酒を飲みながら話す内に、
自分に足りなかったものは感謝だと思った
自分を受け入れてくれた人たちや、機会をくれた場、
教えてくれた人、一緒にいてくれたものたちに対する
感謝の気持ちがよくわからないというのは、
結構危ない気がする


物語の人物には感情移入する方なので、
日常で触れ合うものと物語を紡げていない
ということかもしれない


夫を苦しめて不幸にしたと言う母と
妻を苦しめて不幸にしたと言う父と
交わらない物語に生きている人たちを見て
共感するってかなり難しいんだと思ってしまった


まあ、欠落ごと生きてくしかねえべな


久々に家に人を迎えて
まめに掃除したり、足りないものを買ったりして
そういうのは好きなんだなと思った
与えるのは好きだ
田舎のばーちゃんみたいだ



ねこ社長