戒め

マジシャンが指を鳴らすと時間が飛ぶ
嘘に対して嘘をつけばいいだけだと言う
人の意識は現実ではなく嘘なので
手を加えるのも容易いということらしい
目が覚めて、記憶が消える前に、なるほどと思う


日常生活のひとつひとつ
二人で何かすることが楽しい
二度と戻らない時間が切ない


生きていく上では
知識や経験より意志が重要だと思う
意志をくれた彼女は大事な人である
彼女は芝居をする事に命をかけている


命を燃やすためには、
不条理に向き合わなければならない
過剰であるだけでは面白くないけど
不条理に向き合うということは、過剰である
結果的に際どいものや、際にあるものに近づいていく
やがて押し出されて消える


何のために映画を作っていたのか
皆が見たことのないものを見せたい
自分が感じた切ないものを記録したい
その両方だったと思う


そうなりがちな自分への戒めがある
「時が過ぎるのを待っていてはいけない、
 誰もが必ず間に合わないのだから」
最近、戒めを作って安心してないか心配だ