悲しいキンカン

すーちゃんの火葬から2週間、
死亡から3週間経つ間には
思いがけない動揺と発見があった
動揺は近しい人との間で嵐になり
発見は嵐で傷ついた舟を直しながら得た
自分が今見ているものが何なのか
すぐには認識できない、そういう経験だった


可能性の有無に人は望みをかけているという事
何事もないかのような振る舞いこそが問題という事
そんな意識が久しぶりに目を覚ましたような感じで
芸術に胸をざわつかされた後にも似ていた


嵐を耐えられたのは、すーちゃんのお陰だ
彼女がくれた素晴らしい時間は灯台の光のように
まだ実体は見ていないが彼女のニコニコ顔は
強い雨の中でも香る金木犀のように
紛れもない事実や可能性としてあった


彼女の傍にいられて本当によかったと思い
これからも常に揺れていると思った
深夜高速であり、砂漠に咲いた花である



Image via Showtime
ツイン・ピークス The Return』
義理の父が録画してくれた
リンチにはエイフェックス・ツインのような
独自の得体の知れなさがあり
今作では一周回って自らそれを「わけがわからん」と
うそぶいてみせているようなキュートさがあって
つまらないシーンすら面白い
つまりはデヴィッド・リンチのファンだ
演技もいい