知ったかぶり

大風と雨で栗の花が路上に落花していた
いや栗などそうそう植わっていないので
どんぐりの木、ブナ科のカシやコナラの花である
椎名林檎のアルバムに『加爾基 精液 栗ノ花』がある
カルキ、ザーメン、クリノハナ
つい「栗の花の匂い」と頭に浮かぶが
4月末から5月特有の青臭い匂いはどんぐりである

「栗の花の匂い物質は、精液と同じスペルミンというらしい」
散歩中に彼女に話したのは間違いだった
「栗の花の匂い物質は精液と同じくスペルミンが原因」はデマ

低級の不飽和アルデヒド
スペルミンは CH2CH2N のユニットが臭う
このユニットが入っている低級アミンは、みんなくさい

ちなみに「低級」とは何が低いんだろう

アミン(あみん)とは - コトバンク

アンモニアNH3の水素原子を炭化水素残基R(アルキル基あるいはアリール基)で置換した化合物の総称。置換した基の数によって第一級アミンR-NH2、第二級アミンRR'-NH、第三級アミンRR'R"Nに分類される。

では級数が低いという事で「一級」なのかしら
英語検定などでは「五級」をランクが低いとか言わないかしら
「低級アミン」を利用した実験や解析したレポートなどで扱われていたアミンは
エチレンジアミン、メチルアミンなどで
「メチルアミンはCH3NH2 と表される最も基本的な第一級アミン」
ということだった

スペルミンはC10H26N4 で表されるポリアミン(第三級アミン)の一種なので
栗の花の匂い物質はスペルミンではない
栗の花の匂い物質は「CH2CH2Nのユニットが入った、炭化水素残基Rで置換した基の数が少ないアミン」とか
「置換した基の数が少ない、炭素-炭素不飽和結合 (芳香環は除く) をもつ、分子内に、カルボニル炭素に水素原子が一つ置換した構造を有する有機化合物」らしい

アンモニアがの化学式がNH3というのは
記憶の彼方にあったようである
ともあれ知ったかぶりしてしまい恥ずかしい


謎のコブシ:知ったかぶる(pretend to know)
「知ったかぶりとは知識の本性である」とある
誰でも経験から得た不完全な知識でもって
生きているのだから、まあそれはそうだろうと思う


でも昔調べたり習ったりした気がするもの
ただ見た事があるだけのものまで
知ったかぶりして話してしまうのはダメだろう
確信を持って話せる(確信してる事自体が謎で後で「何で確信してたんだろう」とこわい事もある)事以外については
「あれって何?」「どういう意味?」「何語?」という時は
「よく知らないけど〜みたいよ」と言うべきなのだろう
印象的な事柄や気になるものを見つけた時は
「何なんだろうね〜なのかなあ」と言うべきなのだろう
質問については、真摯に応じたいではないか


会話そのものについて考えると
会話というのは時間を使う事だから
学問的な話では正しいかどうかが
それ以外では展開の面白さが重要だ
正しさと面白さどちらを優先すべきか
判断してから話し始める必要がある


自分は意図を明確にしてから話すのが苦手で
「結局何が言いたいのか」と彼女によく怒られる
自分でもよくわからないが
そもそも「意味のないもの」が好き過ぎるきらいがある
だから「全く意味がないかもしれない事を話すよ」と
前以て言っておくのはどうだろう


正しくもないし、面白いかどうかもわからないが
意味のない話をするよ。そんな人は嫌かもしれない
なんか、このブログ自体、申し訳なくなってきたぞ


申し訳ないから