薄明の頃「なるほどこれが俺が作りたい映画か」という夢を見て忘れた。いつかデジャブが起きる事を願うばかりである。

「吉祥寺美術館で棟方志功展を見る。原板が見たい。浜口陽三の目録を買う。自転車も直ったのでパンニャに行こうと思う。」とtwitterでもつぶやいた通り、棟方志功は好きだが、純朴さが今の自分にはピンと来ないのだった。文字も画も同一に一つの画を刷り上げる棟方志功。詩、短歌、書。どの表現も今の自分には「そのまま」過ぎた。その素朴さに心配になる(もう死んでるけど)と同時に、それぞれの作品に凝縮された棟方志功という人だけが感じられ、他には広がりを感じられないのだった。強烈で限定的な棟方志功という個をより強く感じるには原版の方がいいと思った。『沢潟妃(おもだかひ)の柵』が発する純粋で崇高な憧れや『此岸、中岸、彼岸の柵』であの世が近くなるに連れて、シンプルになっていく様子など見て「まだ早いなあ」と思うのだった。感じ方として。地元の文化センター内のステージの緞帳で見て衝撃を受けた子供の頃とは、自分も変わったんだなあと思った。更に年をとって「あとこれ位かなあ」と思う頃には、また自然に共感できるかなと思った。

浜口陽三『びんとレモンと赤い壁』。常設展示も版画家の作品で、萩原英雄と浜口陽三だった。浜口陽三のちっちゃな(高さ3、4cm位とか)作品の方が棟方志功よりも「好き」と思った。幼い頃観ていた絵本の中で、夢中になった作品は油絵のものだったと思っていたが、版画だったのかもしれない。メゾチントを使った闇に溶けているようでそこに在る感じに痺れた。ロッカー、バニシャー、ルーレット。メゾチントによる版画で使われる道具である。多分ルーレットの使い方に痺れたんだろうなあ。

下北沢「般°若」のチキンカレー。twitterでフォローしている松尾貴史がオーナーのカレー屋さんのスープカレーである。ご飯に乗っているのは優しいトマトベースのペースト、酸っぱいコールスロー、千切りキャベツ。味の変化の楽しさにサービス精神を感じる。夜の部オープンの17時頃に行ったのだが先客はミュージシャンらしかった。下北沢っぽい。「今成」で生ビールを飲んで帰途に着く。

夕方に夕飯食べて帰宅してDOMMUNE見ながらビール飲む。これは現代の"Joe Six-Pack"かと思った(現状で得られる喜びに満足する普通の人の意)それもいい。幸せだ。けど、他にやる事も有る。自分が楽しませないといけない。(松尾貴史twitterは@Kitsch_Matsuo)
吉祥寺に戻り、フクちゃんの散歩をし、帰宅。昼間にRTしていたハモニカ横丁で飲もうよ!的なコミュニティ「ハモニカdrinks!」発起人「numako77」が近くで飲んでいるそうなので連絡してみた。ちなみにRTしたのは下記のtweet
「よし決めた。green drinks 吉祥寺やりましょう。で、その一環として吉祥寺朝市(仮)プロジェクトとハモニカdrinks!も続行しよう。ヤバい、やたらテンション上がってキター!」 12:55 AM Apr 6th
「green drinks Tokyo」には親父も好きな(酒飲んで歌うと泣く)加藤登紀子がゲストで来るらしいという事もあり、旧近鉄裏の立ち飲み屋「もく」で 初めまして〜という事になった。吉祥寺に住んで6年近くになるが、地元のコミュニティを意識するのは初めて。場を作るというのはそれだけでも面白いし、いい事だと思う。今後も絡んでいくことにした。ついでに酒との付き合い方も深めていきたいな。「もく」のマスターは陽気であった。隣の「mikorin」も気になるが、やはり「にほん酒や」に行かねばなるまいと思った。