エネルギー

先日、漫画家の近藤ようこさんが話しているのを聞いた
近藤さんは昔の時代の話も現代の話も描くが
現代の話だけでは創作意欲が減っていくらしい
中世の混とんとしたエネルギーに惹かれて
中世について調べたり描いたりすることで
創作意欲が生き返っている、みたいな話だった


作る事自体、健全で癒されるものだが
仕事として作る場合は、そういうものが必要なのかもしれない
混とんとしたエネルギーを感じるもの
自分は何にエネルギーを得ているのかと思ったら
どうも人間が持つ混とん自体を
生で感じる時に得ているらしい
「生きている記録としての表現は
花に水をやるのと同じようなこと」と
以前の日記に書いていたが
名も知らぬ者たちの生きた記録だけではなく
有名な者の表現の中にももちろんそれはあるはずで
それじゃあ生きているもの全部になる
少なくとも本を読んだり体を動かして
もっとエネルギーとの出会いを求める必要はあると思った
きっと近藤さんも一番エネルギーを得られるのが
中世の人間たちであったという事だと思った


先立って働くな|坂口恭平 @zhtsss |哲学と冒険 https://cakes.mu/posts/20420
cakesでとてもよい連載が始まった
こんな風に生きている人がいる、というだけで
嬉しくて仕方ない


自分の事を他人に伝えるのは
とても難しい事のように思うけど
どう思われたいというのを捨てられたら楽にできる
捨てるにはどう思われても幸せに生きていけると
自分で信じていられる必要がある
社会や自分の周りを信じる事ができれば
どう思われるかは不必要になって捨てていける
そういう環境になるよう働きかけて
そういう場所にいる事ができたら捨てられる
どうせ自分になんて誰も気を留めないと
卑下するのではなく
どんな自分でも受け入れられると信じられるようになる


子供の頃の自分に言ってやりたいのは
完全になろうとしなくていいということ
あなたは不完全なあなたのままでいい
世界中の人間は全て不完全なのだから
安心してやりたいことをやりなさい
失敗しても死なないから大丈夫
もし不完全なままでいられないなら
あなたのいる社会も不完全であるということ
不完全の程度が低すぎるということだ
あなたは他人の気持ちがわからないと言うけど
他人がどうなっても構わないとは思わないでしょう
不完全な他人も不完全なままでいられるような
そういう社会を増やせるようにがんばればいい
やりたいことがみつからないなら
みつからない不完全さのまま生きなさい
独りよがりでない限り
あなたは安心して不完全なままでいていいのだと


当たり前のことだけど、
なかなかわからなかったから言ってやりたい
そうして不完全なまま自分の事を伝えられる人が増えたらいい
僕もまたエネルギーをもらえて嬉しいから